1. TOP
  2. 令和3年度第3回eラーニング 解答解説「痔」

令和3年度第3回eラーニング 解答解説「痔」

令和3年度  『痔』確認テスト正答と解説

印刷して使われる場合は、下記からダウンロードできます

「痔」確認テスト正答と解説

令和3年度 『痔』確認テスト正答と解説

問1.【受診勧奨 (病名を口にしない!) 】
〔答 すべて○ 〕
がん対策情報センターH.P. によると 、2017 年の大腸がんの罹患者数は 、 がんの中で 1 番目に多 く 2 位:胃 、 3 位:肺 、 4 位:乳房 、 5 位:前立腺)、 結腸と直腸に分け ると 、結腸 3 位 、 直腸 6 位 。食生活の欧米化 によ る高脂肪 ・ 高蛋白 ・ 低繊維成分の食事 の 影響で年々増加 。S状結腸や直腸にできたがんでは 、 「便が出にくい 、細くなる」「血便が出る」「肛門に違和感がある」「便秘と下痢を繰り返す」などの症状が起こ る 。大腸の 右側 は 管腔が広くかつ内容物が液状のために症状が出にくく、原因不明の貧血の検査で発見される ことがある。
(1)① 直腸がんのおそれ。 出血量が少なく透明な粘液が出る のは 、そ の他に 直腸ポリープ も 考えられる 。 小さなポリープ では 自覚症状 も 治療の必要もほとんど ないが 、大きくなると血便が現れるようになり 、 がんを伴っている可能性 も 高くなる 。高脂肪・低繊維食が危険因子。 ポリープの大部分=腺腫は 前がん病変 。
②大腸がん、大腸 憩室(けいしつ)、大腸炎、胃・十二指腸潰瘍のおそれ。 どす黒い便は 、ある程度の 出血後時間が経っていることが考えられ る 。
(2)① 直腸脱、脱肛のおそれ。 これらは 進行すると 、 排便と関係なく脱出し 、手を使わないと戻らなくなる 。「脱肛」の定義は曖昧だが 、 痔核が 広がり 脱 出 するようになった段階からこのように呼んでいる文献もある。一般に痛みはあっても嵌頓(かんとん)痔核ほどではない 。 痔核が発生する原因として、「静脈瘤説(肛門管の 痔 静脈 叢(そう)の静脈瘤と考える)」と「肛門クッション滑脱説(肛門管の粘膜下組織が伸びて滑脱するようになったと 考える)」という 2 つ 説明 があり 、肛門の脱出度による Goligherの臨床病期分類がよく使われている。 直 腸 そのものの 脱出 は 、 「 直腸脱 」 と呼ぶ
②大腸 憩室(けいしつ)症 のおそれ。 大腸壁の弱い部分が押し出されてできたくぼみで 、 高齢になるほど頻度 、 数ともに増える 。 腹痛なく突然に鮮やかな出血 をしたり、 赤 黒 く 血が多量 に 出たりす ることがある 。 4分の3は自然止血 すると言われるが、 解熱鎮痛薬や抗血栓 薬を服用中の人で は 再出血もしやすい。
③潰瘍性大腸炎 指 定難病 のおそれ 。赤い血であれば 、肛門近くからの出血 、 粘液が混じるのは炎症が原因と考えられる 。 直腸から上行性に潰瘍が広がり、腹痛があることも。
④慢性裂肛のおそれ。 繰り返し切れ て 潰瘍 化し 、肛門 側の皮膚がふくらんで突起になったり(みはりいぼ) 、 内側には肛門ポリープができたりする 。 肛門 狭窄を起こした場合には手術が適応となる ⑤肛門周囲 膿瘍(のうよう)痔瘻(じろう)のおそれ 。 下 痢のために 、 肛門 陰窩(いんか)(肛門 小窩(しょうか)に細菌が流入 、 化膿して肛門周囲膿になる。切開排膿 により痛みは楽になるが 抗生物質 による 治療が必要 。 排膿 後に生じた 瘻管(ろうかん)が治らないと 痔瘻(じろう)になる 。
※:肛門と直腸の境目(肛門から1.5cm くらい)にある小さなくぼみで 、10カ所程度ある 。

問2.【セルフメディケーションでも対応できる痔 】
〔答①C ②③E F ④B ⑤A ⑥ G,⑦D 〕
ただし、 痔核や裂肛などの出血が逆流して直腸にたまり 、赤黒い血が出ることもある 。 内痔核の類は 、入浴などによって 肛門を温めとは改善効果がある 。

問3【 医薬品 の 使い分け 】
(1 )〔答 ①D ②C,③F,④A,⑤E〕 しばりに注意 。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は 、 乙字湯(おつじとう)と共通する 黄耆(おうぎ)、 柴胡(さいこ)、 升麻(しょうま)のような 降病(こうびょう)に用いられる 「 升薬(しょうやく)」 に分類される薬物を多く含 む。 痔 、特に脱肛に応用されるが 、 ここでは承認基準における「効能・効果」で判断していただきたい 。
※下ってはいけないものが下ったり、 下るものではあっても下り過ぎたりする 病気 。

(2 )〔答 ①B,②A,③C,④D,⑤E〕
①セイヨウトチノキ種子エキス とも 呼ばれる。
②リポキシゲナーゼは 、 アラキドン酸を代謝して 免疫 及び 炎症 反応 に関与するロイコトリエン を生成する 。
③神経線維の膜の内側は- 、 外側は+に分極している が 、刺激 を受けた 部位で Na ⁺がナトリウムチャンネルから流 入 、 電位 を変化させる (脱分極 。その変化が閾値を超え ると急激に 電位が逆転 、 これを 活動電位 と呼ぶ 。 活動電位 は 局部的 に 電流 を 流 し、 隣接部位に 新しい 活動電位 を発生させ 、 神経線維全長に渡って刺激が伝達され る 。

問4.【患者情報確認・生活スタイル】
〔答 ①D ②I ③ A ④H ⑤G ⑥E〕
外用痔疾薬の承認基準では、 局所麻酔成分( アミノ安息香酸エチル 、 ジブカイン 、 塩酸ジブカイン 、 リドカイン 、塩酸リドカイン 、 塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル 、 塩酸プロカイン 、 塩酸メプリルカイン 、 オキシポリエトキシドデカン 、 メピバカイン)又はロートエキスのいずれかを配合しなければならない ことになっているが 、 Pmda の添付文書情報 を見る限り 、 注意書きを増やすロートエキスを 配合した 製 品 は 現在無 い 。
※:太文字の局所麻酔成分を含有する坐剤又は注入の用法をもつ軟膏剤 には 、 「本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人は使用しないこと」 、 重篤な副作用「ショック(アナフィラキシー)」 が 記載される 。
①免疫機能を抑制するので皮膚の抵抗力が低下し 、 皮膚感染症を誘発したり 、増悪したりするおそれがある 。 医療用では局所に結核性又は化膿性感染症 、 ウイルス性疾患 、 真菌症(カンジダ症 、 白癬等)のある患者には「禁忌」になっている 。 痔瘻も考えられるので 、 受診を勧 め た方がよい 。
②一応承認基準に配合できる成分として挙げられているので出題したが、現在、 リゾチーム塩酸塩を含有する外用痔疾用薬は 、 Pmda の添付文書情報 で探した限り 見当たら ない 。
④ロートエキス 配合剤 には 「 母乳に移行して乳児の脈が速くなることがある 」と理由を記載することになっている。 痔に関する 薬効においては、 他に センノシド 、 センナ 、 ダイオウを含有する場合に も同じ注意の 記載がある が 、 センノシドは母乳中に移行し 、 乳児に下痢を起こさせるおそれがあ るためである 。
⑤外用痔疾用薬の承認基準 収載 アドレナリン作動成分 で 、 この注意を記載する のは dl 塩酸メチルエフェドリン配合の坐剤又は注入の用法をもつ軟膏剤 のみ 。 収載成分で現在製品があるのは 、 塩酸エフェドリン 、 塩酸テトラヒドロゾリン 、塩酸ナファゾリン(塗布剤のみ 、塩酸フェニレフリン(塗布剤のみ) 、 dl 塩酸メチルエフェドリン。 DHC ジオサーマル(DHC)、ヂナンコーハイ(雪の元本店 、 販売:ムネ製薬)の 2 品目はエフェドリン塩酸塩配合だが 自主記載 し ている 。
※:承認基準に基づくかぜ薬及び鎮咳去痰薬と整合性を図っ た とのこと 。 これらの 薬効に配合できる共通のアドレナリン作動成分は dl 塩酸メチルエフェドリンのみであるため 、この成分にのみ記載することになっ てしまったらしい 。
⑥偽アルドステロン症 、ミオパチー の防止 、及びその悪影響の防止のためである 。

問5 .【アドバイス】
〔答 ①○,② × ,③ × ,④ ○,⑤×〕
①瀉 下作用がある成分を含有する内服痔疾用薬には 、 「下痢」症状のある人は相談するよう記載されている 。
②外用痔疾用薬の使用上の注意に記載された日数は 、「10日間位」 。
③肛門部の痒みは 下痢や便の付着による皮膚炎 の他、 痔核、痔瘻、便の漏れなどの肛門疾患 も考えられる 。しかし、 多くの場合は原因がはっきりし ない。 最近では むしろ洗い 過ぎ により、皮膚の バリア機能が低下し て 痒く なる 「温水便座症候群」が 多くなって い る 。清潔にしようと排便後にはトイレットペーパーでこすって、入浴時にはタオルでゴシゴシ洗って、さらに痒みが強くなり悪循環に陥ってい ることもある 。 洗い 過ぎ にも注意がいる。
⑤歯状線より 上 は 自律神経支配で 、知覚神経を持たないため 、内痔核及びそれが原因の出血は 痛みを感じない 。とは言うものの、純粋に歯状線の奥側にだけに限局してとどまるような内痔核単独例 は、そう多くはない。