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令和7年度第4回eラーニング 解答解説「便秘症状」

令和7年度第4回「便秘症状」正答と解説

 

 

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「便秘症状」確認テスト正答と解説

解答解説-便秘症状

問1.【受診勧奨(病名を口にしない!)】
〔答: すべて○ 〕
使用上の注意には「発熱を伴う下痢のある人、血便のある人又は粘液便の続く人」は相談するよう記載されている。
(1)①腸閉そくのおそれ:部分的に閉塞すると下痢する。小腸閉塞では嘔吐がよくみられる。
腹部の手術等による癒着、腸のヘルニア、大腸では癌、憩室炎、宿便等が腸閉塞の原因になる。嵌頓(かんとん)
ヘルニア、腸捻転(多くは癒着が原因)、腸重積によって血行障害を伴う腸閉塞が起きると、激しい腹痛が持続して(“絞扼こうやく”という)、壊死を起こす。破裂して“腹膜炎”を起こすと圧痛と発熱がみられ、命にかかわる。
血中に細菌が侵入し敗血症を起こしたり、水と電解質の再吸収が不十分になり不整脈が起きたりすることもある。
3か月~2歳未満の乳幼児が、突然不機嫌になったり元に戻ったりを繰り返すときは、腸重積の可能性を考慮。
② 過敏性腸症候群かもしれないが、大腸癌のおそれもある:大腸癌では、潜血からくる疲労感や脱力感しか症状がないこともある。下行結腸は細く、便がすでに半固形状態になっているため、ここで癌が発育すると腸閉塞を起こしやすい。閉塞に至る前に痙攣性の腹痛とともに便秘と下痢を頻繁に繰り返す。その他に大腸癌の症状として、「便が細くなる」、「便に赤い血が混じる」等が挙げられるが、初期は無症状のことが多い。便潜血反応検査によって3/4は発見できる。早期なら治る可能性が高いので、毎年の検査が大切。
女性では子宮癌、子宮筋腫、卵巣嚢腫等が大きくなって腸管を圧迫し、便秘の原因になることがある。
③虚血性腸病変(虚血性大腸炎、急性腸間膜虚血症)のおそれ:多くは動脈硬化と関係、高齢者に起こりやすい。
ⅰ)虚血性大腸炎は、大腸を養う動脈の血流が一時的に悪くなり、大腸粘膜に浮腫と潰瘍が生じて出血する。入院して腸を休めることで多くは快復する。発症直前に便秘をしていることが多く、便秘の若い女性にも起こる。
ⅱ)急性腸間膜虚血は、血栓や塞栓が原因になりやすく、詰まると腸の虚血のため激しい腹痛が起こり、数時間で腹膜炎に至る。患部の腸が壊死して感染、ショック、臓器不全が起こるので緊急手術が必要。
④脱水症のおそれ:目安ではあるが、体重の3~5%くらいの減少が軽度の脱水、6~9%くらいでも中等度とされ、中等度以上の脱水で頬粘膜の乾燥、尿が少量か全く出ない、嗜眠、頻脈、眼および泉門の陥没、皮膚ツルゴールの低下※がみられ、入院による補液が必要。感染性の胃腸炎が原因になることが多い。小児や高齢者では要注意。※:手の甲の皮膚を指でつまみ上げてから離すとき、もとに戻るまでの時間が長いこと。ハンカチーフサインとも。
(2)①炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)のおそれ:消化管での異常な免疫反応で、粘膜にびらんや潰瘍を形成。ひどくなると体重減少や貧血、発熱も。潰瘍性大腸炎は肉体的・精神的ストレスも誘因で、直腸から連続的に結腸全体に拡がり、7~8年で大腸癌を合併することも。クローン病は食物中の物質や微生物が誘因となって、腸を中心に消化管全体に不連続に炎症が起こり、狭窄や痔ろう等を合併することも。
②大腸憩室症のおそれ:大腸の壁の弱い部分にできた直径数㎜程度のくぼみ。高齢になるほど頻度、数ともに増える。血は多量に出ることがある。過敏性腸症候群のような症状を訴えるが、憩室内に便がたまって憩室炎を起こすと、強い腹痛、下痢、発熱、血便などがみられる。
③腸間膜硬化症のおそれ:ゲニポシド由来の物質により青色色素を形成、腸間膜静脈壁の線維性肥厚・石灰化を引き起こし、血流をうっ滞させて慢性虚血症状が現れる。過敏性腸症候群と区別が難しいが、ほとんどの患者で数年から数十年のサンシシ配合漢方薬の服用歴がある(服用歴のない人もいる)。
④吸収不良症候群のおそれ:この便は脂肪便と思われる。各種栄養素の吸収過程で最も早く障害を受けるのは脂肪。脂肪の消化吸収を助ける膵液や胆汁の分泌不足を起こす疾患、例えば膵がんや胆道がんがありうる。
⑤甲状腺機能低下症のおそれ:新陳代謝低下症状が現れる。声が低音化してしわがれるのも特徴。浮腫は皮下にたまるムコ多糖類のためで、押してもへこまない。主な原因の橋本病では、多くの場合で首が腫れる。

問2.【セルフメディケーションでも対応できる下痢等】
〔答:①E,②A,③H,④J,⑤C,⑥I,⑦G
感染等によって腸に炎症が起きると血漿、血清蛋白、血液、粘液等がしみ出て下痢の要因になるが、この場合は受診勧奨が無難。発熱や全身倦怠感、著しい体重減少が無いかも確認。D大腸通過正常型便秘は食物繊維不足。

問3.【医薬品の使い分け】
(1)〔答: ①G,②L,③K,④F,⑤B,⑥J,⑦H,⑧A〕
C.副交感神経おいて抗コリン作用を示し、胃液分泌及び胃腸管の運動亢進を抑制する。
D.糖化菌は主に小腸でデンプンを分解、乳酸菌やビフィズス菌の増殖を助ける。乳酸菌※は小腸下部~大腸で主に乳酸を、ビフィズス菌は主に大腸で乳酸と酢酸を、酪酸菌は大腸で酪酸と酢酸を作り、腸内を酸性にして
悪玉菌を抑える。また、短鎖脂肪酸(酪酸や酢酸)は大腸の蠕動運動の主なエネルギー源。
※ⅰラクトミン(フェカリス菌、アシドフィルス菌等の成分菌を含む)、ⅱ耐性乳酸菌、ⅲカゼイ菌、ⅳ有胞子性乳酸菌等
E.腸管運動亢進状態ならアセチルコリン遊離抑制、運動低下状態なら交感神経を抑制した結果遊離増加。
M.ビサコジル、センノシドと同様に大腸刺激性成分だが、比較的作用は穏やかで、腹痛を起こすことは少ない。
N:腸内の異常発酵で生じる硫化水素と結合してガス刺激を和らげる。再評価で胃・十二指腸潰瘍並びに潰瘍性大腸炎に対し、収れん、吸着及び保護作用に有用性はないとされている(次硝酸ビスマス「ヤマゼン」)。

(2)しばりに注意!
下痢
〔答:①D, ②E,③A,④B,⑤C〕
便秘〔答:①B,②E,③C,④F,⑤D,⑥A〕

問4.【患者情報確認・生活スタイル】
〔答:①I,②D,③C,④E,⑤J,⑥F,⑦G,⑧M,⑨K,⑩H,⑪B〕
①医療用の【妊婦】の記載内容の概略(いずれも「禁忌」ではない。)《ロートエキス》投与しないことが望ましい。
胎児又は新生児に頻脈等を起こすことがある。《ロペラミド、ビスマス塩類、ウルソデオキシコール酸(動物実験で妊娠前及び妊娠初期の大量投与により胎児毒性)》治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与。
②抗コリン作用で「目のかすみ、異常なまぶしさ等」のおそれ。母乳に移行して乳児の脈が速くなることがある。心拍数増加のおそれから、医療用では甲状腺機能亢進症の患者に注意喚起されているが、一般用には記載がない。
③中毒症状における処置はナロキソン塩酸塩の投与(麻薬中毒の処置)。飲酒による中枢抑制作用増強のおそれ。「眠気」「めまい」「散瞳」の報告がある。母乳中に移行するとの報告から医療用では授乳を避けることとされているが、一般用では相談事項。まれに起こる重篤な副作用に「イレウス様症状(腸閉塞様症状)」がある。
④精神神経系障害の副作用が報告されているが、症状は投与中止後、数週間~数ヵ月で回復しているという。
⑤タンニン酸アルブミン等の収れん成分(ビスマス塩類、タンニン酸等)を主体とする止瀉薬の相談事項には「急性の激しい下痢又は腹痛・腹部膨満・はきけ等の症状を伴う下痢のある人。(本剤で無理に下痢をとめるとかえって病気を悪化させることがある。)」の記載もある。
⑥カルシウム塩配合の医療用胃腸薬は、高カルシウム血症を起こすおそれから、甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症の患者に「禁忌」。この注意の記載はカルシウム主薬製剤にはない。多くのカルシウム主薬製剤がかつての所要量600mg/日に倣ってきたが、胃腸薬の承認基準で配合できるカルシウム塩はそれよりも多い。
⑦蓄積によりアルミニウム脳症(言語障害等)やアルミニウム骨症(骨・関節痛、骨折)を起こすおそれがある。
⑧成分が母乳中に移行し、乳児に下痢を起こさせることがあるので授乳も不可。センナも同様。
⑨浣腸による排便後、血圧の急低下等があらわれるおそれがあり、高齢者や心臓病の人は特に注意を要する。心臓病については硫酸ナトリウム配合剤にも記載があるが、こちらは血圧を上げる作用に対する注意。腸管、肛門に創傷がある場合、グリセリンが創傷部位から血管内に入り、溶血や腎不全を起こすおそれがあるため、痔出血の症状がある人は、使用後に貧血症状や尿量減少・浮腫み等に注意する必要がある。
⑩マグネシウム塩類下剤は吸収されにくいが、吸収されると腎臓病の人では排泄が遅れて嘔吐、徐脈、血圧低下、筋力低下、傾眠等の症状が現われ、呼吸麻痺を起こすなど重篤な転帰をたどるおそれもあるため、酸化マグネシウム含有の瀉下薬に限るが、「高齢者」は相談するようH27 に追記された。また、Mg2+は胎盤を容易に通過する。
⑪腸内で納豆菌により産生されるビタミンKが血液凝固因子の生合成を促進し、ワルファリンの作用と拮抗する。

問5.【アドバイス】
〔答:①○,②○,③×〕
①下痢は栄養素の吸収を阻害するため。不整脈患者、ジギタリス製剤を使用している患者(→中毒)等も要注意。
②排便直後10分以内に急激な血圧低下が起こることある。衰弱している人や基礎疾患がある人は特に要注意。
③ビサコジルは腸溶錠(カプセルも)又は坐剤。腸溶錠は強酸性では成分が溶出しない設計。割ったらダメ。