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令和4年度第4回eラーニング 解答解説「漢方製剤」

令和4年度第4回 「漢方製剤」 確認テスト正答と解説

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「漢方製剤」確認テスト正答と解説

解答解説-漢方製剤

問1.【漢方の歴史】
(1)〔答: ①E,②C,③D〕
①前漢の王朝時代(前202~後8)、②後漢の王朝時代(25~220)、③後漢末の西暦200 年頃
A 勿誤薬室方函口訣:著者は折衷派の浅田宗伯。現代漢方常用処方の運用についての直接の出典となっている。
B 本草綱目:作者は明朝(1578)の李時珍。それまでの本草(薬物学)書を継承、金元医学や自らの意見も加えた。
F 和剤局方:中国、宋の時代に朝廷の積極的な意向を受けて編纂された。
(2)〔答: ①B,②J,③H,④E,⑤I,⑥D,⑦G,⑧L〕
A.小柴胡湯及び C.葛根湯:『傷寒論』、『金匱要略』に収載されている古方の処方。
F.皇漢医学:昭和漢方の発展の礎を築いた湯本求真の著書。

問2.【漢方的なお客様の状態の把握の仕方】
〔答: ①A,②B,③E,④D,⑤C,⑥H,⑦G,⑧F〕
③~⑤「気」:「気」は目には見えないが機能を持ったエネルギーであって、頭部から下肢あるいは中心から末梢へ流れる性質を持つ。産生が低下あるいは消費が増加して絶対量が不足すると「気虚」、本来とは逆方向に流れると「気逆」、流れがうっ滞すると「気鬱」の病態を示す。
気は誕生に際して父母から与えられた先天の気と、生誕の後に自然界から取り入れられる後天の気に分けられる。後天の気は呼吸によってもたらされる宗気と飲食物の消化器吸収によって得られる水穀の気からなっている。
⑥,⑦「血」:「血」は「水」とともに生体の物質的側面を支える要素で、気の働きによってその量が保たれ全身を巡行し、身体に必要な栄養をもたらしている。「血」の量の不足した場合には「血虚」、「血」の流通が阻害された(中医学ではこの状態を「血瘀」と呼ぶ)場合にはそれにより生じる「瘀血」の病態を呈する。
⑧「水」:「水」は「血」とともに生体の物質的側面を支える要素で、「気」の働きで生体を滋潤する無色の液体。「水滞」は、体内での分布の異常、水の体外への消失、消失による量の不足など「水」の偏在として捉える。

問3.【承認制度と体力表記等】
〔答: ①B,②D,③E,④H,⑤F〕
漢方製剤は独自の病態認識による判断「証」に基づいて用いることが有効性・安全性を確保するために重要である。通知『一般用漢方製剤承認基準の制定について(H20.9.30)』により、内服する全ての一般用漢方製剤の効能・効果は、「証」の概念に対応した「しばり」(制限)と「症状」の組み合わせによって表現された。個々の漢方処方の適応病態は、虚実という尺度で見ると裾野を広げた山のような形をしており、しかも裾野の狭いものや広いものがあるため、右の5種の分類いずれかに収めることには無理が生じた。そこで、山の重心及び裾野の広さを勘案して、例えば虚実中間から虚に分布するものについては、「体力中等度以下で」や「体力中等度又はやや虚弱で」等の表現が使用された。「五臓の病態」については、「脾胃虚弱」の適応となるものには「胃腸虚弱で」、「肝陽上亢」のような肝の失調状態が適応となるものには「いらいらして落ち着きのないもの」等の表現を用いた。

問4.【代表処方の使い方と注意】
〔答:①E,②A,③G,④D〕
B 小青竜湯:麻黄2-3.5g、甘草2-3.5g を含む。しばり「体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るもの」。
C 柴胡桂枝湯:甘草1-1.5g を含む。しばり「体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・はきけなどのあるもの」。
F 胃苓湯:甘草1-2g を含む。しばり「体力中等度で、水様性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴うもの」。