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令和7年度第2回eラーニング 解答解説「抗炎症薬の薬理学」

令和7年度第2回「抗炎症薬の薬理学」正答と解説

 

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「抗炎症薬の薬理学」確認テスト正答と解説

解答解説-抗炎症薬の薬理学

問1.【炎症について】〔答:①A,②C,③E,④G〕
このような炎症反応の進行過程において、死滅した細胞や感染した微生物は除去され、創傷を受けた組織は再生し、失われた組織は線維組織に置き換わり、創傷は修復されて治癒する。

問2.【抗炎症成分の効果の仕組みについて】〔答:①A,②M,③H,④J,⑤F,⑥C〕
(1) シクロオキシゲナーゼにはCOX-1 とCOX-2 があり、解熱・鎮痛・消炎の働きは主にCOX-2 阻害により得られる。常時発現しているプロスタグランジンE2 は炎症抑制にも働いており、NSAIDs 喘息を起こす人はこの働きが弱い。COX-1 は胃粘膜保護、血小板凝集、血流維持などに働いているため、NSAIDs の副作用と関係が深い。
(2) ホスホリパーゼA₂の働きを阻害する仕組みは、まず、細胞質内へ入ったステロイド性抗炎症成分が、ステロイド–GR(グルココルチコイド受容体)複合体を形成して核内へ移動、遺伝子に結合して、リポコルチン(アネキシンI)やIκB の産生を促進。そして、リポコルチンが細胞質に移り、ホスホリパーゼA₂に直接結合して失活させる。
(3) グリチルレチン酸は、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)をコルチゾン変換する酵素(11β-HSD2)を阻害する。
(4) ブラジキニンは、血漿中でカリクレインが高分子キニノーゲンを分解することで生成され、知覚神経を刺激して「痛み」の信号を生じ、血管拡張作用により「発赤」「熱感」、血管透過性亢進作用によりと「腫れ」を起こす。プラスミンはカリクレインを活性化する補助的な役割を持つ。

問3.【抗炎症成分の使用上の注意について】〔答:①A,②D,③F,④H,⑤L,⑥K〕
(1) 胎児の動脈管開存状態の維持にはプロスタグランジンE2 が必要だが、非ステロイド性抗炎症成分が胎児に移行すると、肺動脈が収縮している状態で動脈菅収縮すると同時に閉鎖機構全体が狂って、肺高血圧症や胎児循環持続症を起こすおそれがある。腎血流量が減少すると、それを増やそうと水分とナトリウムの再吸収を促進して血圧を上げるように働く。これが心臓のポンプ機能と腎臓の濾過機能に負担をかけることにつながる。
NSAIDs 喘息は、もともとCOX-2 活性が低下していて炎症抑制が弱い人において、NSAIDs によりCOX-1 阻害が加わることが引き金になる。成人後発症喘息、特に鼻茸合併例に多い。
(2) NF-κB は炎症や免疫応答に働く遺伝子の発現を調節する転写因子で、核の中に入り遺伝子に炎症や免疫に関わる物質を作らせる働きがある。活性が過度に高まると慢性炎症や自己免疫疾患の原因になり、活性が過度に下がると細胞の生存や修復が困難になって特定のガンや免疫不全の原因になる。
(3) 副腎の球状層から分泌されるアルドステロンは鉱質コルチコイド呼ばれ、腎臓での水分とナトリウムの排泄を抑制、カリウムの排泄を促進する作用を持ち、その作用が強く出ると、浮腫みが出たり、筋肉が動かなくなったりする(アルドステロン症)。問題のコルチゾール増加による場合を「偽アルドステロン症」と呼ぶ。コルチゾンとコルチゾール(ヒドロコルチゾン)は束状層から分泌され、糖質コルチコイドと呼ばれるが、抗炎症作用などの活性があるのはコルチゾールだけである。
(4) 最初にプラスミンが分解しないと、血栓はなかなか溶けず、そういう状態では、新たな血栓が形成されやすくなる。