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【登録販売者 まめ知識】目薬・アイケアを提供する際の接客術やアドバイス

 2024/07/23 登録販売者まめ知識  

こんにちは、登録販売者の皆さん!

目薬やアイケア製品は、日々の生活で私たちの目の健康を守るために欠かせないアイテムです。
市販薬の目薬は、様々な場面で目の健康をサポートしてくれます。例えば、パソコンやスマートフォンの長時間使用による目の疲れや乾燥、花粉症やアレルギーによるかゆみ、またはコンタクトレンズの装着時の不快感などに対して効果的です。目がかすんだり、充血したりする場合にも、適切な目薬を選ぶことで、症状を和らげることができます。使用方法や適切な製品選びについて登録販売者としてアドバイスができたら良いですね。しかしながら、症状が長引いている場合や重症の場合は、眼科医の診察を受けることをお勧めをしてください。

主要な目薬の有効成分と働きについて

  • ビタミンA・・・角膜修復
  • ビタミンE・・・血行促進
  • ビタミンB6・・・新陳代謝を促進
  • コンドロイチン硫酸ナトリウム・・・角膜保護
  • タウリン・・・新陳代謝を促進
  • Ⅼアスパラギン酸カリウム・・・細胞呼吸を促進
  • ネオスチグミンメチル硫酸塩・・・ピント調節
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・かゆみ抑制
  • 塩酸テトラヒドロゾリン・・・充血除去
  • イプシロンーアミノカプロン酸・・・抗炎症作用
  • ベルベリン塩化物水和物(薄黄色)・・・抗菌・抗炎症作用
  • グリチルリチン酸二カリウム・・・抗炎症作用

これらの成分は高機能・高価格帯の目薬に多く配合されており、その成分の組合わせが目薬(メーカー)の特徴。売り場においては高機能・高価格帯の製品で棚の一等地であるゴールデンゾーンを飾ります。

価格帯や成分特長による目薬の提案手法

目薬には2000円近くする高機能な高価格帯の製品や、清涼感を強調しビタミンなどの栄養分を控えることで低価格帯に抑えている商品があります。お客に主訴は何かをお聞きして、目の疲れを改善したいのか、乾燥を防ぐために使うのか、コスパに注目しているのかなど、要望を聞き出した上で用途に合った製品を提案しますが、用途・機能のなかで高価格帯、低価格帯それぞれ2~3種類の提案商品を持っておくことが肝心です。
そうして例えば「手ごろな商品を漫然と使うより、一度この成分の濃い(高価格)製品を使って様子を見てください」や、「(高価格を)一度使ってみて、症状が改善されたら今までの商品にもどしてみては」などとアドバイスします。また目薬を使用しても疲れの症状が改善しないと言われた場合には、「目薬の効果が出ないほどに疲れているので、その場合はビタミン剤(内服)等の併用で様子を見てはどうですか」と提案します。
高齢者に多いドライアイは、涙や涙の蒸発を防ぐ油分の分泌量の低下が主な原因。老眼や白内障で視力が落ち目を凝らしてみることで、まばたきが減少し目が乾きます。若い人のドライアイはスマホやパソコンの凝視、コンタクトレンズの装着等で起こりやすいです。どのような原因で目に不調がおこるのか理解し、お客様にあった接客ができるように心がけたいと思います。
ドライアイ予防にはヒアルロン酸が効果的で、第一類医薬品として医療用と同濃度のヒアルロン酸ナトリウム0.1%を配合する製品(2023年にリスク区分変更)があります。高い保水力のあるヒアルロン酸ナトリウムは、涙に流されにくく瞳に長く留まるため、潤いが持続するのが最大の特徴で、目の疲れ、乾き、かすみなどの症状を改善します。
目薬の多くには、細菌が繁殖するのを防ぐために防腐剤含まれていますが、保存剤の効果がある一方で防腐剤が角膜障害の原因となることもあります。最近は高機能、高価格帯の目薬の中にも防腐剤無添加をアピールしている製品があり、防腐剤が気になるお客様には防腐剤フリーの目薬や1本使い切りタイプを推奨します。

目のトラブル対策に絡めたアドバイス

これからの季節、太陽の日差しの中へ出かけることで紫外線による目のトラブルが考えられますので、「UVケア用目薬で紫外線から目を守ろう!」を提案するのもひとつとなります。

  • 硫酸亜鉛水和物・・・傷ついた組織の修復(収れん作用)
  • 活性型ビタミンB2・・・組織代謝を促し角膜の修復を促進
  • コンドロイチン硫酸ナトリウム・・・角膜保護
  • グリチルリチン酸二カリウム・・・紫外線による抗炎症作用
  • 水溶性アズレン・・・非ステロイド性抗炎症薬

これらの成分が配合された高機能・高価格帯の目薬で棚の上段を飾るようにします。

なみだ目は鼻涙管が閉塞して涙が鼻へとうまく排泄されなくなっている状態ですが、意外に訴えが多いのが加齢によるお年寄り。商品パッケージに大きく「なみだ目」と記載されているプラノプロフェン(抗炎症薬)配合の製品が選択肢となり、改善されない場合は受診勧奨します。目が痛いという症状のなかには、脂肪の塊がまぶた付近にできるもの(霰粒腫)があり、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物が入った目薬で推奨を見つけておきます。
また、目が痛いという症状のなかには緑内障があり、視野が狭くなるなど見えにくくなる症状は白内障や緑内障が疑われる場合もあるので、わからない場合は受診勧奨を心がけます。
ちなみに緑内障で視野が狭くなり、凝視することでドライアイの症状を訴えるような人には涙液型の目薬がファーストチョイスとなります。
ものもらい(麦粒腫)は、目やに、違和感、目がゴロゴロするなどの症状があります。スルファメトキサゾール+抗炎症薬入りの目薬が効果的。1回ごとの使い切りタイプは症状が改善した場合、残った本数を有効期限まで置いておけます。加えてプラノプラフェンの商品を併用するとさらに効果的です。

目薬の色・容器などの知識や注意点・アイケア用品の活用

目薬の中には色のついている商品がありますが、赤色(ピンク)はビタミンB12、青色(紫)はアズレンスルホン酸ナトリウム水和物、黄色はビタミンB2、薄黄色は塩化ベルベリン、薄緑色は塩化ベルベリン+アズレン、オレンジ色は塩化ベルベリン+ビタミンB12となります。
目薬自体は無色透明でも、容器に色がついているといった場合があります。容器のカタチも四角、丸、細長い、八角形、三角形、楕円形と様々ですが、お客は容器やキャップの形状や色で指定買いしてくる場合があるのでメーカーのホームページなどで確認します。
その他、目薬は衛生面を考慮して1ヶ月で使い切るように、他の人と使いまわしをしないこと。清涼レベルについて5~10段階といったようにメーカー別で表記しているので、自分で使ってみてランキングをつけるのも面白いのではないかと思います。

スマホやパソコンなどデジタル画面を長時間見続けると、ピント調節連動に関わる目の奥の末梢神経や筋肉を酷使し眼精疲労を引き起こすとされます。症状によっては「目の奥まで痛む」「頭重感がある」など出ることも。目薬だけでは改善しない場合は、ビタミン剤の内服も併用することを提案します。
ビタミンB12は傷ついた末梢神経を修復し、ビタミンB1誘導体は目の酷使で消耗したエネルギーを作り出す際の必須栄養素、ニコチン酸アミドは目の血流促進に適しています。
また、ビタミンAは夜間の視力低下、暗がりの階段が見えづらいなど夜盲症、目の乾燥に。機能性表示食品としてルテイン、ゼアキサンチンも提案します。
網膜の黄斑色素を増やして、ぼやけ・かすみを軽減し、くっきり見る力(コントラスト感度・色の濃淡・物の輪郭をはっきり識別する力のこと)を改善するほか、ブルーライトなどの光刺激から目を守ることが報告されています。

またアイマスクなどは、ドライアイに対して目を温めることで血流を改善し、涙の分泌量が増えることで症状を和らげるほか、目の周りの筋肉を温めることで筋肉が柔らかくリラックスした状態となり、眼精疲労の症状を緩和することが期待されます。目の休息と集中には、働き続けた目もとを冷却し、気持ちをリフレッシュしてくれる目もと専用の冷却ジェルシートといったものもあります。
こういった関連製品を活用するポイントも踏まえつつ、お客様に対して最適なアイケアをサポートするための提案参考にしていただければと思います。

(令和6年6月薬局新聞)

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