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令和2年度第1回eラーニング研修(受講証明書無し)

令和2年度第1回eラーニング研修

「五月病・六月病」

テキストは下記のURLよりダウンロードできます。

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令和2年度eラーニング研修「新しいウィルス感染と闘うために」「アンチ・ドーピングの知識2020」

テキストは下記のURLよりダウンロードできます。

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令和2年度 登録販売者生涯学習研修確認テスト 第1講座『5月病・6月病』

この講座では、「5月病」「6月病」を「適応障害」とし、一般用医薬品の効能効果「神経症」の一つと考える。

問1.【受診勧奨】受診勧奨が適当なら○を、セルフメディケーションが可能なら×を回答欄に記入して下さい。

(1) 受診を勧めるべき生命に関わる緊急性の高い重大な症状ではないか?

①精神的ストレスのせいか、日を追うごとにだんだん頭痛がひどくなっている。

②精神的ストレスのせいか、だるくて食欲もない。むくみが目立ち、尿の泡立ちが激しくてなかなか消えない。

③ 精神的ストレスのせいか、だるくて食欲もない。目が黄色い?そういえば尿も最近ウーロン茶のような色。

④疲れやすくて力が出ない。ストレスのある時は症状がはっきりする。血圧は以前より低く、体重も減少傾向。皮膚、爪床、口腔内に色素沈着がみられる。

(2) その他、受診を勧めるべき症状ではないか?

①この半月くらい、以前は好きだったことも楽しめず、やる気が起きない。夕方から夜にかけて軽くなるが、午前中は特につらい。食欲低下、動悸等の自律神経症状もみられ、以前とは違う。

② 休まないではいられないような強い疲れを繰り返している。症状は、朝は軽く、午後に重くなることが多い。

③ 寝床に入る時刻はいつも同じなのに、最近は寝つくのに2時間以上かかることが週2回以上あって、その ぶん日中に、仕事をしていて眠くなることがある。

④ 全身がだるく、頭もスッキリしない。体温が低く、皮膚が乾燥して、暑い日でも汗をかかなくなった。む くみやすく便秘がちになり、体重が増えている。

⑤ 精神的ストレスのせいか、腹痛を伴ってたびたび下痢をするようになった。便に血と粘液が混じっている。

問2.【セルフメディケーションでも対応できる5月病・6月病】空欄に当てはまる適語を下欄から選んで下さい。

大学新入生は5月の連休明け頃に、新人研修は終わって職場に配属される6月頃に、生活の変化によるスト レスが原因となり、心身のバランスが崩れて社会生活に支障をきたすことがある。医学的に多くは「適応障害」 にあたるが、それぞれ「5月病」「6月病」と呼ばれる。

休みの日には憂うつ気分も少し楽になり、趣味を楽し むことができるのであれば、神経の緊張をほぐして興奮をしずめ、緊張感・いらいら感やそれらに伴う頭重・ 疲労感などの神経症状に効果があるカノ

コソウ・ホップ・パッシフローラ(トケイソウ)などを配合した( ① )、五臓の働きが弱まったりバランスが崩れたりときの、動悸・息切れ・めまい・立ちくらみ・寝汗・手足の冷え・ 肩こり・不眠・疲労感等の改善に麝香・牛黄・沈香・人参・動物胆・龍脳などを配合した( ②)、ブロモ バレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素を配合した( ③ )を使用する機会がある。

また、「ストレスが多く、眠れない」、「疲れているのに、神経が高ぶって寝つけない」、「心配ごとがあって、 夜中に目が覚める」、「不規則な生活で、睡眠リズムが狂い、寝つけない」といった、持続期間が一週間を超え ない、精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠(一時的な不眠)に、( ④ )が使える。

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問3.【一般用医薬品の使い分け】

(1)「神経症」を効能・効果に持つ漢方薬の例を示した。適当な処方を下欄から選んで下さい。

 

(2)次の説明の作用をもつ成分を下欄から選んで下さい。

①血中に入るとBrイオンを遊離し、体内のClイオンと置換する。脳脊髄中にも大量に移行して、大脳の興奮を抑制し、鎮静・催眠作用と抗痙攣作用を示す。早く効くが、持続時間は短い。

②視床下部後部から伸びている上行性神経によって調節されている覚醒システムを抑制、眠気を催す。

③作用機序は明らかでないが、鎮静、 鎮痙、 駆風薬として、 ヒステリー症、 心悸亢進時に用いられる。西洋においては同属のバレリアンにチャボトケイソウ(パッシフローラ)、ホップ等を配合して使用されてきた。

④作用機序は明らかでないが、興奮、強心、鎮痙、鎮静、排膿、解毒薬として、神昏してうわごとを言うもの、 小児の驚癇、神経衰弱症、心腹痛、打撲損傷、その他危急の症に応用する。

⑤ 作用機序は明らかでないが、鎮静、解熱、抗炎症薬として、高熱による頭痛、うわごと、痙攣、搐 搦(ひきつけや痙攣)などに応用し、また血圧降下作用があるので、高血圧症、脳溢血、脳膜炎などにも用いられる。

 

問4.【患者情報確認・生活スタイル】一般用医薬品の添付文書に照らして、適当な語句を選んで下さい。

・一般用で( ①)に分類される医薬品は、「妊婦又は妊娠していると思われる人」は、服用できない。

・( ② )を配合する医薬品には、母乳を通して乳児の昏睡がみられたとの報告があり、授乳中の人は服用し ないか、服用する場合は授乳を避けるべき旨が記載されている。

・(③)を配合する既存の鎮静薬は、「妊婦又は妊娠していると思われる人」は相談するように記載されてい るが、医療用の添付文書では胎児障害の可能性があることから、「使用しないことが望ましい」とされている。 また、「呼吸機能低下」の診断を受けた人は相談するよう記載されている製品がある。

・(④)(感應丸等)の使用上の注意には、「妊婦又は妊娠していると思われる人」は、「相談する事」になっ ている。成分の( ⑤ )は、その開竅作用等による早流産のおそれから、古来妊婦には使用しない。

・( ⑥ )は、その清熱(炎症を鎮め、充血を除く)の働きから、「体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)」は相談することになっている。

・帰脾湯、加味帰脾湯、( ⑦ )等、1日量1g以上の遠志を配合する処方は、(⑧)の検査値に影響を及ぼすおそれがある。

・(⑨ )は、通常、大黄が配合され(ない処方も可)、その成分の一部は母乳中に移行し、乳児に下痢を起こさせることがあるため、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と、ま た、子宮収縮を誘発するおそれがあるため、「妊婦又は妊娠していると思われる人」は相談するよう記載がある。

・( ⓾)は、気分が晴れない人によいとされている食品だが、薬物代謝酵素を誘導し、インジナビル(抗H IV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリ ン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬の血中濃度を低下させ、これらの併用薬の作用を弱めるおそれがある。

 

問5.【アドバイス】次の文章が正しいものには○を、誤っているものには×を、( )の中に記入して下さい。

① 達成感が大事です。先延ばしにしたくなる作業は集中できる時間で小刻みに区切って頑張るといいですよ。

② 脳をリラックス状態にするには、有酸素運動より無酸素運動の方が効率的です。

③ 食物繊維が大事なので野菜をたくさん摂取し、たんぱく質を摂りすぎないようにしましょう。

④朝、太陽の光を浴びる時刻を調節すると、睡眠の時間帯を調節するのに役立ちます。

⑤ブロモバレリル尿素は蓄積しやすく、依存や中毒を生じるおそれがあるので、必要な時に記載された用法用量の範囲で使用し、長期連用しないでください。

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令和2年度 登録販売者生涯学習研修確認テスト 第1講座『「5月病・6月病」』 正答と解説

問1.【受診勧奨(病名を口にしない!)】〔答: すべて○ 〕

(1)1 頭蓋内の疾病が悪化しているおそれ。『国際頭痛分類 第3版日本語版』を「増悪」、「進行性」、「悪化」で 検索⇒脳腫瘍、頭蓋内感染症(髄膜炎、脳炎、脳膿瘍)、頭蓋内真菌又は他の寄生虫感染、脳静脈血栓症、可逆 性脳血管攣縮症候群等。身体活動により増悪する頭痛もある(高血圧性脳症※、高血圧性緊急症、子癇、心筋虚 血等。それ以外に特定の薬品や食品摂取後の身体活動で起こることも。) ※:軽度ないし中等度程度の高血圧では、血圧変動と頭痛の有無の間に明らかな関係は認められていない。
2 腎臓病のおそれ。腎機能が低下すると、血液中の老廃物や体内の余分な水分が排泄できなくなる。「むくみ」 による循環血液量増加に伴って高血圧が起こったり、腎臓でのエリスロポエチンの分泌(赤血球の産生促進)が 低下して「貧血」を起こしたりすることもある。尿の泡立ちはタンパク(主にアルブミン)の漏出による。 急性腎炎は、連鎖球菌によりのどの痛みが起こった後 10 日前後して小児に発病することが多い。
3 急性肝炎のおそれ。主に肝炎ウイルスの感染が原因でおきる急性の肝機能障害を呈する病気。A,E型は経口感染、B,C,D 型は血液又は体液を介して感染する。潜伏期は通常 3~8 週間だが、B,C 型では 6 ヶ月間に及ぶ場合がる。 感冒様症状に続いて現れる黄疸は肝障害が生じていることを示す。食欲不振、全身倦怠感、嘔気、嘔吐などの症 状も同じ時期に現れる。尿の色の変化は黄疸の数日前から現れ、黄疸の進行とともに黒っぽく変化する。
4 アジソン病のおそれ。感染症や自己免疫異常等により、副腎皮質に炎症が起こることで副腎皮質ホルモンが不 足する病気。食欲不振、 悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状、無気力、不安、うつなど様々な精神症状も訴える。 不足するホルモンを補充し、特にストレス時には増量しなければ、ショックを起こして死亡するおそれがある。 (2)1うつ病のおそれ。抑うつ状態に気付く前に、食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛や肩 こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く、不眠などの肉体的な症状だけが現れることもある。脳内 の神経伝達物質、「セロトニン」と「ノルアドレナリン」が不足しているので、それらを是正する「SSRI」、「SNRI」、 「三環系抗うつ薬」などの抗うつ薬の他、症状に合せて補助的に抗不安薬や睡眠導入剤なども使われる。うつ病で は血中コルチゾール(ストレスホルモンの一つ)が増加、これが海馬神経を傷害する可能性が報告されている。 2 慢性疲労症候群のおそれ。死亡することはないが、治りにくいことが多い。疲労状態が 6 か月以上続く、な いしは再発を繰り返す。その他、頭痛、のどの痛み、筋肉痛、関節痛、腹痛、睡眠障害、思考力・集中力の低下、 微熱、筋力低下、首のリンパ節の腫れ等、症状は多様。うつ病では一般に朝に症状が重く、午後に軽くなる。 3 不眠症のおそれ。このような症状は入眠障害。他に夜中に2回以上目覚める中間覚醒、熟睡感が得られない 熟眠障害または2時間以上早く目覚める早朝覚醒があって、こうした障害が1ヵ月も持続し、苦痛を感じるか社 会生活または職業的機能が妨げられている場合には、不眠症が疑われる。眠れないことへの不安や焦りから興奮 して、かえって寝つきが悪くなり、不眠の直接のきっかけとなった外因がなくなっても不眠は”自己増殖”する。 4 甲状腺機能低下症のおそれ。全身の代謝維持に重要な甲状腺ホルモンが不足して活動性が鈍くなる。女性で は生理不順(量が多い、期間が短いなど)も見られることがある。むくみやすくなるのは、ムコ多糖類が皮下に たまるため。眉毛の外側 3 分の 1 が抜けるのも特徴。甲状腺に慢性の炎症が起こる橋本病※が発症の主原因。 ※:自己免疫疾患。多くは首の腫れから病気が見つかるが、ほとんどの患者は甲状腺ホルモンの分泌量に問題はない。 5 粘血便は大腸ガンや潰瘍性大腸炎のおそれがある。潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に対する異常な免疫反応でびら んや潰瘍を形成、ひどくなると体重減少や貧血、発熱がみられる。治療により治まっても再発する可能性がある。

問2.【セルフメディケーションでも対応できる「5月病・6月病」】〔答:1D,2E,3C,4B〕 情緒面では、抑うつ気分・不安・怒り・焦り・緊張などの症状、行動面では、行きすぎた飲酒や暴食・無断欠席・ 無謀な運転・けんかなどの攻撃的な行動がみられることがある。子どもでは「赤ちゃん返り」も。不安が強く緊 張が高まると、体の症状として動悸・発汗・めまい・頭痛・不眠・手の震え・腹痛あるいは吐き気なども現れる。 うつ病の場合には、環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂うつ気分は続き、何も楽しめなくなる。持続的 な憂うつ気分、興味・関心の喪失や食欲の低下、不眠などが 2 週間以上続く場合は、うつ病かもしれない。 1は他に他にチョウトウコウ(カギカズラの部位)・ニンジン・セイヨウヤドリギ・コウブシなどを配合。

問3【医薬品の使い分け】(1)〔答:1C,2B,345D・E・F〕しばりに注意。 生姜瀉心湯:体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、はきけやげっぷを 伴うものの次の諸症:食欲不振、胸やけ、はきけ、嘔吐、下痢、胃腸炎、口臭 (2)〔答:1B,2A,3E,4C,5D〕1,2覚醒の仕組みは、i)モノア ミン作動性神経系を主とする脳幹部の上行性網様体賦活系を介する経路と、ii) 視床下部後部から伸びている上行性のヒスタミン作動性神経系を介する経路 があると考えられている。i)は外敵の多い環境で警戒し、生存能力を強化、 ii)は認識型の作業において、問題解決能力、学習能力、創造性を向上させる。 3日本では配合剤中のバレリアン(セイヨウカノコソウ)を、通常、カノコソウに代えて承認を取っている。カ

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ノコソウは日本薬局方に収載されている。
しんこん しちきょう かいきょう

4「神昏」は、七 竅(耳・口・目・鼻)が病邪によって閉塞され、意識が混迷してはっきりしない状態。開 竅薬 じゃこう ご おう

によって治療する。麝香や牛黄はその代表的な薬物。七竅は、五臓の精気の通り道と考えられている。

問4.【患者情報確認・生活スタイル】〔答:1C,2F,3E,4A,5G,6I,7J,8M,9K,10H〕 1ジフェンヒドラミン製剤は、睡眠改善薬以外は相談事項。妊娠中の睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の 変化等が原因で「一時的な不眠」にあたらない。1 日最大用量で比較すると睡眠改善薬は 50 mg、鎮暈薬トラベル ミン 120 mg、アレルギー用薬レスタミン糖衣錠 90 mgなので用量よりは使用目的の適正性が問題。ちなみに、医 療用レスタミンコーワ錠の 1 日最大用量は 150 mgで、添付文書には、抗ヒスタミン剤を投与された患者群で、奇 形を有する児の出生率が高いことを疑わせる疫学調査の報告があるため「投与しないことが望ましい」とある。

3一般用では「鎮静」が目的。医療用では高齢者、虚弱者、小児、呼吸機能の低下している患者には慎重投与。 じゃこう

4,5難波恒雄著『原色和漢薬図鑑(下)』には、「妊婦に服用さすと堕胎のおそれがあるので禁忌である。麝香と ご おう ご おう きょう やぶ

牛黄の効用はよく似てはいるが異なっている。牛黄はその薬性涼で、熱を清し、竅 を開き、毒を解し、痰を豁る。 じゃこう けがれ さ きょう
麝香はその薬性温で、 穢 を辟け、 竅 を開き、血を活し、腫を消し、経を通じ、痛みを止める。臨床応用上、以

上の区別をよく認識して用うべきである。」とある。
7,8グルコースとよく似た構造を持つ 1,5 アンヒドロ-D-グルシトール(AG)の血中濃度は、血糖値が上がる とグルコースと一緒に排泄されて低くなり、血糖値が下がると高まる。遠志は 1,5-AG を含み、その血中濃度を 高めるため、糖尿病検査 1,5-AG 検査において、誤診(短期間における改善)を招くおそれがある。 問5.【アドバイス】〔答:1○,2×,3×,4○,5○〕
1とりあえず 20 分、ADHD(注意欠陥・多動性障害)では 5 分と決め、達成を繰り返すことが大事。それに より脳内の『報酬系』神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)が出やすくなり、気分も良くなる。 2水泳、ジョギング、サイクリングなどの長時間無理なく続けられる有酸素運動が効果的。一定の脈拍を維持し ながら 20 分以上有酸素運動することでα波が増加してリラックス状態になる。β-エンドルフィンという脳内麻 薬が増加することも誘因の一つと考えられている。 3セロトニンやノルアドレナリンの主原料になるタンパク質をしっかり摂る必要がある。
4起床してから 14~16 時間後に、脳内でメラトニンが分泌されて眠くなる。体内時計は24時間とは少し違う 周期だが、朝太陽の光を浴びたり、食事をしたり、出勤時刻を守るといったことで、24時間周期に調整される。 5大量投与又は連用中の投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不安等の禁断 症状があらわれることがある。製造販売業者の話を総合すると「長期連用」とは「2週間」と考えておけばよい。