【登録販売者 まめ知識】痔について~相談しやすい案内・対応の心がけ~
一般の方に痔や便秘のイメージを聞くと、「恥ずかしい」「デリケートなもの」などが多いと思います。
便秘は女性にとって比較的ポピュラーな悩みですが、痔についても自覚の有無に関わらず成人の半数以上が患っているといわれる、ごくありふれた疾患です。
しかしながら、肛門に違和感を持つ方で薬を使用しているのは約3割にとどまる事から、相談しにくい疾患であることは間違いありません。
痔や便秘は風邪などの急性疾患と違い、お話しを伺って薬をお出しして終わり、というものではなく、お客・患者さんの多くは症状の憎悪・寛解を繰り返しながら長年にわたって徐々に悪化させています。
その原因の多くは食生活、喫煙、飲酒、仕事のライフスタイルと密接に結びついており、背景も含めてしっかりセルフメディケーションに取り組む必要があります。まずは痔の悩みを中心に店頭でデリケートな訴えの対応を解説します。
1.接客のポイント
売り場前で悩んでいるようなお客に対しては最初に声掛けを極力ソフトに。
「私自身もなやんでいるんですよ。」
など共感を前面に出すと心を開いてくださることが多いです。
症状を引き出すのに時間が掛かるため肛門内部の模型などを用いながらお話を伺うと話がスムーズに進みます。
市販薬は15歳以上が適応の製品が多いため
「誰が使うのか」
注意が必要です。
また、痔では
「患部を触ってみたことがあるか」
「出血の有無」
「痛みの有無」
を尋ねます。
肛門の入り口付近に患部がある場合は痛みが現れることが多いですが、肛門奥に患部がある場合は痛みを感じにくい場合が多く、ある程度患部の位置を推測する参考になります。
2.痔の薬の種類
●消毒薬
手を洗うとともに、マキロン等の消毒薬でペーパーを湿らせて肛門の周囲を清拭する。
●軟膏
肛門入り口付近のイボ痔・キレ痔など、指で塗れる範囲に適している。ガーゼに塗布し患部に当ててもよい。
●座薬
肛門奥のイボ痔など指が届かない場所に適している。正しい使用の為に充分な説明が必要。
保管の仕方や温度によって薬剤が溶けたり、変形することがあるので注意。
●注入軟膏
軟膏と座薬の性質を兼ね備える。
使い切りタイプで保管、携帯に便利。
肛門内に注入すら際患部に触れることが無いので衛生的。
●内服薬
患部の血液循環を改善し、痛み、出血、はれ、かゆみを改善する。
便の硬さを正常な状態に近づけ、肛門への負担を和らげる。
●舌下錠
イボ痔のうっ血、腫れを改善する。固まった血を溶かすと共に傷んだ組織を修復して炎症を抑え、かゆみ、痛みを緩和する。口の中で噛まずに舌の下から吸収させる。
外用薬は排便後のタイミングを中心に1日数回、5日程度使用して様子を見ます。内服薬は1ヶ月程度服用を続け、症状の改善がみられない場合は受診推奨します。
次回は生活習慣のアドバイスに触れてみたいと思います。
(薬局新聞)
継続的研修(外部研修)受講は義務
大阪府医薬品登録販売者協会は厚労省発出「登録販売者に対する研修の実施要領」に則った登録販売者の「継続的研修(外部研修)」を開催しております。
継続的研修(外部研修)受講は義務となっておりますので、当協会の継続的研修(外部研修)のご受講をお待ちしております。
詳細・お申込みは↓こちらから