【登録販売者 まめ知識】目薬の基礎知識/アイケア
コロナ禍によるインバウンド需要の落ち込みにより、アイケア市場は清涼感目薬の数量が大幅に減少し、また外出自粛の影響からかCL用(コンタクトレンズ用)も落ち込みが見られました。
一方、かすみ目・抗菌用目薬は伸長しています。今年も各メーカーから高機能・付加価値を持った高価格目薬の提案があり、低価格商品と市場構造は2極化が続いていると感じます。
四条としては厳しい状況でありますが、それでも販売数量で見ると、お客を店舗に目的来店される重要なカテゴリーなので、きめ細やかな積極対応を心掛けることが肝心です。
OTC目薬の基礎知識
OTC薬では現在、2,000円近くする高機能な価格帯の目薬が販売されるほか、清涼感を強調し、ビタミンなどの栄養分を控えることで低価格に抑えている商品もあります。
今すぐにどの症状を改善することを一番に考えているのか、使い続ける必要があるためコスパに注目しているか?など、状況によっておススメする商品の価格が変るため、用途・機能の中で高価格帯、低価格帯を分けておススメする商品を2~3種類持っておくようにします。
「手ごろな商品を漠然と使うより、一度この成分の濃い(高価格)商品を使って様子をみてください」、「(高価格を)一度使ってみて、症状が改善されれば、今までの商品に戻してみては」などの提案し、お客に予算がどのくらいかお聞きした上でそこから選び出していきます。
また、目薬を使用しても疲れなどの症状が改善しないと言われた場合には、「目薬の効果が出ないほど疲れているので、その場合ビタミン剤などの(内服)の併用で様子をみてはどうですか」といった提案をするのも大切です。
お客が訴える症状に応じた適切な目薬選びのポイント
スマホを所有する15~59歳の男女を対象に1日のスマホ使用時間を調べたデータでは、10~30代は「3時間以上4時間未満」、女性では40~50代でも「2時間以上~3時間未満」の割合が最も多く、10代女性では1割以上の割合で「10時間以上」とも回答していました。
スマホ以外でにも、タブレット、パソコン、テレビと液晶の画面を見る時間は非常に多くなっており、眼精疲労はいわば国民病といっても過言ではありません。多くの方が目の疲れに関して悩んでおり、相談を受けることになるがどのように商品を選べ良いか、いくつかのポイントを踏まえ、お客の要望を満たす接客が必要です。
目の乾きは「ドライアイ」とも呼ばれ、高齢者に多いドライアイは涙や涙の蒸発を防ぐ油分の分泌量の低下が背景に指摘されます。老眼や白内障で視力が落ち目を凝らして見ることで、瞬きが減少し目が乾きます。
若い人のドライアイはスマホやパソコンの凝視、コンタクトレンズの装着などで起こりやすいです。どのような原因で目に不調が起こるのか理解し、その人その人にあった接客ができるように心がけたいと考えます。
ドライアイ予防にはヒアルロン酸が効果的で、要指導医薬品として医療用と同濃度ヒアルロン酸ナトリウム0.1%を配合している商品が発売されました。高い保水力のあるヒアルロン酸ナトリウムは、涙に流されにくく、瞳に長く留まるため、潤いが持続するのが最大の特徴で、目の潤いをキープすることで、目の疲れ、乾き、かすみなどの症状を改善します。
なみだ目
加齢により、鼻涙管が閉塞して涙が鼻へとうまく排泄されなくなっている状態。以外訴えが多いのがお年寄りの涙目で、商品パッケージに大きく「なみだ目」と記載されているプラノプロフェン(抗炎症薬)配合の商品がおススメ。
目が痛い
そのような症状のなかに、志望の塊がまぶた付近にできるものがある、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物が入った目薬でおススメを見つけておく。また、緑内障が疑われる場合もある。視野が狭くなるなど、見えにくくなる症状は白内障や緑内障が疑われる場合もあるので、分からない場合は先輩に代るか受診推奨をする事。
目の疲れ
コロナ禍の影響もあり、パソコンを使った仕事や会議が増えたせいで、目の疲れを訴えるお客が多くなった。緑内障や白内障にも使える目薬を求められることや、それらの症状を接客で聞き出さないと、教えてくれないお客もいるので注意が必要。
緑内障でも使える目薬はあるが、なぜ緑内障の人はOTC目薬を使っていはいけないかというと、素人が判断するのが難しいから。一般的にOTC目薬が使えないのは閉塞隅角緑内障や急性緑内障。緑内障(主に閉塞隅角)で注意するのは抗コリン剤を持つ成分。
いずれにせよ、販売する際には症状・状態をよく聞き提案すること。緑内障で視野が狭くなるため、凝視することでドライアイの症状を訴える人もおり、その場合は涙液型の目薬がファーストチョイスとなる。
ものもらい
麦粒腫ともいう。目ヤニ、違和感、目がゴロゴロするなどの諸症状がある。病院ならば抗生物質+ステロイド剤の2本立て。どうしても眼下に行く時がないというお客には、スルファメトキサゾール+抗炎症薬入りの目薬を提案する。1回使い切りタイプは症状が改善した場合、残った分を有効期限までに置いておける。金額に余裕があれば+としてプラノプロフェンの商品を併用するとさらに効果的。ボトルタイプは使いまわし不可で症状が改善した場合は廃棄するように伝える。
目薬の特徴をめぐる対応
コンタクトレンズ用
コンタクトレンズ使用者向け目薬の多くには、使用中に細菌が繁殖をするのを防ぐために、成分の一つに防腐剤が含まれています。保存剤としての効果がある一方で、目薬に含まれる防腐剤がレンズに吸着し、濃度が高まり、角膜との接触時間が長くなることで角膜障害の原因となることがあります。
また、レンズ自体が変性し、寿命を短かくしてしまう可能性も。ワンデータイプのソフトコンタクトレンズは、1日で使い捨てたるため影響が少なく、医師によっては点眼してもトラブルが少ないと判断している場合もありますが、できるだけ裸眼時の点眼を推奨します。
酸素透過性のハードコンタクトレンズも、ソフトコンタクトレンズと同様に、防腐剤の吸着がみられることもあるため、点眼する場合は、コンタクトレンズを外したほうが望ましいです。
レンズを装着しながら点眼したい!という方には、防腐剤フリーの1本使い切りタイプをおススメします。
色や容器の違い
目薬の中には色のついている商品があり、主なものとして赤色(ピンク)・・ビタミンB12、青色(紫)・・アズレンスルホ酸ナトリウム水和物、黄色・・ビタミンB2または演歌ベルベリン、薄緑色・・塩化ベルベリンの黄色+アズレンスルホ酸ナトリウム水和物の青色、オレンジ色・・塩化ベルベリンの黄色+ビタミンB12の赤色。
色のついた点眼薬は使用の際に服などにこぼさないよう注意が必要です。また、目薬自体は無色透明なのに、容器に色がついていて間違う場合もあります。
容器の形状や色についても、容器の形が四角、丸、細長い、八角形。三角形、楕円形など様々、さらに1本使い切りタイプ(防腐剤無し)があり、容器の色も透明、褐色、緑色、青色、赤色・・、キャップも金色、銀色、白色、赤色、黄色と様々。お客は容器やキャップの形状や色で指定買いしてくる場合が多々ありますので、気を配らないとなりません。
目薬の1滴量
30~50マイクロリットル。1滴50とした場合、15㎖ボトルタイプの目薬で300滴使える計算になります。1日5回両眼で0.5㎖、15㎖÷0.5㎖=30日となるので、1ヶ月で使いきるようにします。
その他
清涼感のレベルについて5~10段階など、メーカー別で表示が違う使い心地について実際に使ってみてランキングを自分なりにつけるのも面白いです。
目薬の販売からプラスワンとして、ビタミン時や機能性表示食品、アイケア用品などを紹介することも大切。目薬でのポイントに加え、お客の悩みや要望、状況に応じた最適なアイケア商品の提案にも働きかけていただけたらと思います。
(薬局新聞)
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