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【登録販売者 まめ知識】食事と漢方

 2021/06/18 登録販売者まめ知識  

最近、世間は漢方に目を向けはじめ、いわゆる漢方ブームが起こっています。
西洋医学の治療で限界の見えることも多い場合、東洋医学でそれを補い、予防医学にも役立てようというものです。

漢方が効いた、効かない

それでは、漢方医学を用いて現代の難病が治るかといえば、残念ながらそうは簡単にいきません。
昔の漢方薬局では、患者さんが来てもすぐに漢方薬を処方せず、食事や日頃の養生法を指導して、実行してもらってから漢方薬を処方していた時代がありました。
では、現在はどうかというと、必ずしもそのようなことが行われていないようです。
今でも漢方薬は本当に効果があるのか、長く服用しないと効果が出ないのではないかと質問を受けます。
漢方治療では、その人の「証」という体質に処方薬がぴったり合えば劇的に効く一方で、「証」があっていないと、何年も漢方薬を飲んでいても今ひとつ効果がみられないということもあります。
どうしてそのようなことが起こるのでしょうか。
西洋医学や東洋医学で対処しても病気の治る兆しの見られないことが時々見受けられますが、もう打つ手がないのでしょうか。敢えて言わせて頂ければ、どの原因の一端を担っているのはわれわれ人間の側にもあるのではないでしょうか。

 

食生活の関連を自覚する

人間の体が非常に複雑で、医学の進歩した現代でも解明ができないことが多いのは事実です。
しかし、漢方治療に関しては、漢方薬が効きにくいようにしている原因が、われわれの生活態度なることを自覚することも大切だと思います。
西洋医学と東洋医学を融合して病気に立ち向かっていくことは素晴らしいことだと思います。
しかし、「抗生物質の代用として漢方薬を飲む」などの安易な考えでは、せっかくの漢方治療の効果を半減してしまうこともあります。
脂ぎった肉類を食べ(最近では良質な赤身肉や鶏のささ身は高齢者の「フレイル」と呼ばれる筋力低下に効果があるとされています)、白砂糖の大量に入った菓子や飲料を飲み、化学調味料をふんdなんに使った食品を取り入れ、ビールなどの体を冷やすアルコールを飲みながら、他方で
漢方薬による治療に頼るというのは、養生という観点からは本末転倒と言わざるを得ません。
養生の世界では「三白の害」という言葉があり、白米、牛乳、白砂糖はできるだけ避けるべき食品とされています。

身近な野菜や穀物が漢方にも

漢方薬の処方の中にも、実は身近な野菜が含まれていることがあります。
例えば、春先に採れるウドの根は羌活といいます。
生姜が葛根湯などが多くの処方に利用されています。
また、生姜に陽に当てて干した乾姜は生姜の体を温める作用が陽に当てた分倍増し、補中益気湯などの体が疲れた時、冷えてしまったときに飲む漢方処方の中に含まれています。
意外なところでは、玄米を粳米と呼び、咳の薬として頻用される麦門冬湯などに用いられます。小麦も「ショウバク」という呼び名で甘麦大棗湯という夜泣きやひきつけの薬として用いられます。
山椒がお腹の薬、大建中湯に、何首烏が皮膚の薬、当帰飲子に、蓮根が下痢の治療薬、啓脾湯や排尿トラブルの薬、清心蓮子飲として使われます。

(薬事日報)

 

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